医食同源という言葉は馴染みではあるがそもそも実際は何となくわかっているようであまり意識しない毎日を過ごすことが多い。
この語源についての歴史が深く、これには中国の歴史上にある医薬や道教思想と密接に結びついた独特な料理である。
古代伝説上の皇帝である神農が草木を味わって薬効を確かめて編んだと言われる{神農本草}は6世紀に{神農本草経集注}となる。
この本草はクスリの意である。
そもそも「本草学」と言うものが存在するがこれには飲食物食事療法として医療技術と調理技術を結び、また医師を筆頭に「食医」を置いた。
この「食医」だが古代中国の書物の中に周代の官制を示した書物「周礼」である。その中には天官」で医師を4つに分けている。
(食医、疾医、痕医、獣医)が並ぶ。
この医食同源の由来ともなる{周礼}という書物は食医は飲食衛生の管理に当たるため、まず料理人として優秀な人物であること。、そして食べ物の味をほどよく調味しながら巧みに薬剤を料理に取り入れて身体を調整し補強し、病気を治す医療技術を身につけていなければならない。
この食医学の専門技術は漢王朝以降いろいろな人に部分的に受け継がれていくこととなった。
後にこの伝承には一部は宮廷の食膳を司る料理人。他の一部は秘伝として道家に伝わったが多くはやはり医学者たちが伝承した。
この食事療法には穀物にしても肉にしてもそのまま食べるわけでなく適切な調理法によってそれらを完成させる技術抜きにはできない。
これには栄養学、薬物学を基礎の据えてその上に色、味、香りとも備わった料理の姿を形づくるからこそ日々の生活に密着した医食同源となる。
あらためて歴史をたどると生きるための基本がそこにはあるのだ。
食事には色々な種類を少しずつ取り入れて味わう楽しさがそこにはある。
